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グアテマラ在住日記

グアテマラ在住日記

グアテマラで免許を取得

 私は、グアテマラに来てから12年、車というものを運転したことが無かった。ここアンティグアという街は、1km2の中に何でも詰まっているような街で、歩いてすべてのことが済んでしまっていたからだ。日本にいるときは、最後の更新時にもう少しでゴールド免許になるところまでだったが、海外にいる期間が長いので、なぜか知らないけれど、却下された。それが、7年前だ。ゴールドになれば5年間更新しなくてもよかったので、しばらくは大丈夫だろうと思っていたのだが・・・・だめだった。

 あれから7年。もうとっくの昔に失効している。
警察の法律では、免許失効後3年以内なら、(理由があるものに限って・・要するに海外にいて更新できなかった理由があるということで)、実地、筆記試験無しに再交付してくれるらしい。
 しかしその3年も過ぎてしまった。
あの学生の時に、山形の合宿免許で取った(当時21万円したなあ)免許がもう使えないとは・・・

 それで、今さら日本で取る気はしないのでグアテマラで取得することにしたのだ。日本の免許取ったって、費用がかかるし、グアテマラの免許から、グアテマラの国際免許証作ってそれで日本で使えばよいと考えたのだ。しかも安いしね!

 実は車は、今年の4月にある日本人から、新車の2年落ちを購入していた。ガレージに眠っている。

 グアテマラだったら試験も何もないんじゃないのという方がいれば、それは大きな誤解です。ちゃんと実地試験と、筆記試験が用意されてあり、誰でも受かるというわけではない。

まずは流れとして説明しておくと、

1.教習所でも個人無免許レッスンでもいいのでとにかく自分で運転できるようになることが必要。
2.試験場で筆記試験
3.筆記試験に合格したものだけが、実地試験
4.両方の試験に受かると、免許交付場にて免許書交付。

と、いたって日本と変わりない。

 日本にいるときは、いつもオートマだったので、マニュアルは運転できない私だったので、まずは、マニュアル車になれることからはじめた。
 まずは、近所のグアテマラ人エドワルドに教わることにした。日本の山形ぶりにマニュアルだ。ある程度、広くて人通りの少ない道路まで、エドワルドが運転。そこからは私。
 左ハンドルか・・・後方確認するときどうしても、左側から後ろを見ようとして何も見えないことに気づく。ギアーも右側についているな。当たり前だが、1*年前の慣れというのは恐ろしい。
 しばらく走ると、結構慣れてくるが、クラッチをよく忘れる。1速から2速、3速、止めて、バック入れてと・・・・・Uターン。

 エンストもするし、ふかしすぎていたが、まあ初日にしては、結構動かしたなと満足だった。


 今日一日終わって、エドワルド曰くまだ合格はしないだろうという。
 そんなに面倒なの!!もっと簡単じゃないのかと思っていたが、運転がちゃんとできなければ試験は合格しないそうだ。(あたりまえか)

 エドワルドは忙しそうなので、民間の教習学校を探す。

 アンティグアにも一軒あったがかなり値段が高いので、グアテマラシティーの教習学校でアンティグアまで出張してくれるところの申し込んだ。ただ1つだけ条件があり、アンティグアまで出張するということで、一日5時間集中コースを取らなければならないとのことだった。でも費用は5時間で出張費、車、ガソリン代込みでQ275ぽっきり(3800円なり)だ。これに決めた。
 申し込みの次の日に、ワーゲンよりもちっちゃい車が家までお迎えに来た。自動車学校の看板が車からはみ出すように頭についている。
 「これか、これならぶつけないだろう。」と思っていると、今度は車より大きい経営者兼校長兼教習員の、100k級の男がでてきた。名前はカルロス(仮名・・仮名使ってどうする・・)。

 でかいカルロスは私を助手席に乗せ、アンティグアの市場の裏手で人通りが少ないとおりまで来た。
「ここ、人通りが少なくてもバス通りなんだけどなあ」
と思いながら、私は運転席に座る。

////グアテマラ教習一口メモ////
 教習学校といってもいきなり路上で無免許教習です。車もブレーキ、ハンドルなんかひとつしかついてません。
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 カルロスはアクセル、ブレーキなど簡単に車の仕組みを説明しているので、「うん。うん。」と聞いている私。
 説明後「じゃあ、エンジンかけてみよう。」とカルロス。
 ニュートラにしてあるのを確認してクラッチ、ブレーキを踏んだ状態で、鍵をまわす。
「ブーーン」このへんちくりんな車にしてはいい音が出る。
「発進できるか?」とカルロス。
 ハンドブレーキを下げ、1速にいれ、アクセルを少しふかすようにしてクラッチを少しずつ離す。
 初心者にはこの離し具合が難しい。
「できるじゃないか!」
「じゃあ、行こう。」
 私はどこへ行くかもわからず、カルロスの言うままに、先へと進んだ。
 
 一時間くらい運転しただろうか!!アンティグアから40kmくらいのところのエスクイントラという街まで来ている。じゃあそこを右に曲がってと立体交差のジャンクションに入るように言う。言うとおりに入り先へ進むと、料金所にぶつかる。

料金所・・・・・・・・・・

 高速道路だ。いきなり高速道路に連れてきやがった。大丈夫なのか?一応無免許なんだぞ!とカルロスに言うと笑いながら、「NO HAY PROBLEMA」
といいながら通行料Q10(110円)を私に渡す。

 高速道路は三車線で、路肩が5mくらいの道路でかなり快適だ。一番右側の斜線を進むこと20分。グアテマラシティの入り口についた。ここで高速道路はおしまいだ。
 ちょっと高い通行料だな!でもかなり金かけているから仕方が無いか!

 そのあと、アンティグア方面に向かい午前の3時間のレッスンは終わった。お互い別々に昼食を取り午後2時に待ち合わせた。
 これから、縦列駐車の練習をするとのこと。試験場ではこれをやらされるらしい。

右側の歩道にみっちりつける練習だ。
 これを何だかんだで1時間以上練習すると、もう合格するから大丈夫だというので、家に戻り、試験必勝のためのノウハウを教わる。
「絶対に試験に受かるか?」の問いに自信もって「絶対に受かる。」と答えるカルロス。でも言われたノウハウとおりにしないとだめなそうだ。
ノウハウと聞き、へーえ、そんな仕組みになっているんだね!グアテマラは・・

 日本だと教習所の最寄り駅付近で代書屋と呼ばれる試験問題の傾向を教えてくれるところがあるし、アメリカだと、何回か試験を受けると同じ問題が出てくるらしいし。

どこでも合格させてくれるんだね!とほっとしていた。

 カルロスの言うまま、翌日試験を受けることにした。
 試験項目は二つ、筆記と実地試験だ。筆記試験のほうは、一応教本に目を通しておくように言われた。もちろんスペイン語だ。読んでみると、日本とあまり変わらないようなことが書いてある。速度制限、禁止事項、罰則など。
 唯一びっくりしたのは、ちゃんと教本に、”歩行者優先”が書かれていることだ。私は、車優先だと思っていたからだ。こんな運転マナーの悪いグアテマラ人はやっぱりちゃんと読んでないんだなと思った。

 ここグアテマラでは、歩行者を巻き込んだ事故が少ない。これは国民全体が、車優先だと思っているからだ。こう思っていることで歩行者は常に気合を入れて歩いている。
 日本みたいに、完全に歩行者優先になっていると逆に歩行者が注意不足で事故が起きやすいのだろうと思う。

 25ページにわたる教本は、日本語だったら楽勝なのだろうがスペイン語なので、ゆっくり時間をかけて読んだ。

筆記は多分これで大丈夫だろう!!

*
*
*
*
 翌日、試験会場に向かう。できるだけ早い時間に受けることが望ましいとのカルロスの助言で、朝8時頃つくように家を出た。到着するとまだ誰も来ていなく、建物の横で待つように言われた。

建物の入り口にはいろいろ張り紙がしてある。
「これかーーー」とカルロスの言っていたノウハウを思い出す。
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教習本・・・・・・Q20(275円)
事前講習・・・・・Q30(410円)
写真<試験用>・・Q25(340円)
希望者のみ
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と書かれた張り紙がある。

ノウハウ1・・教習本を買うと実地が有利になる
ノウハウ2・・事前講習を受けるとその日に出る筆記試験の内容を教えてくれる。
ノウハウ3・・写真<試験用>をここで撮ってもらうと実地が更に有利になる

希望者のみというところがにくい。

 午前9時前やっと試験官らしいのが出勤しだして受付が始まる。

 身分証明書を出して、普通自動車の初回であることを告げる。同時に、事前講習は受けるかどうか聞いてくるので、もちろんと答え、写真も撮りたい旨を伝える。教習本はカルロスからもらったのがあるからいらないと答えると、

 試験費用Q275(これは全員払う。)に事前講習代Q30、写真代Q25の合計金額Q330を払うように言われた。しかもこの試験用紙の上にでっかい数字で330と記入した。

 要するにこの支払い金額によって、試験費用以外の何を払ったかがすべての(筆記、実地試験)の試験官にわかるようにいなっているのだった。
 私の場合は330で教習本は買わなかったということまでわかる仕組みになっているのだ。

 事前講習が始まった。私が座っているところに試験官が来る。今から言うところを勉強しとけと、教本の何ページかに印をつけてそこに書いてあるポイントを言ってくれる。
こんな感じだ。
「グアテマラでは歩行者優先となっている。」
「トンネル、橋付近100mは駐車禁止。」
「車内からごみなどを捨てた場合はQ400の罰金」

 またいくつかの標識を指定されてこれが何を示してあるのか言えるようにしておく事も言われた。

 10分くらいすると、また同じ試験官が来て「もう大丈夫か?」と聞いてくるので、「たぶん!?」と答えると、試験用紙を持ってきた。

試験官が言ったとおりそのまんまだ。

 ニヤニヤしながら、試験を仕上げ、試験官に提出すると採点をするので外で待ってろという。

 15分たっただろうか!試験を受けに来た受験者が3人ほど集まった時点で、今度は実地試験が始まった。
まずは私の番。
「いきなりか!ちゃんと動いてくれよ。」と思いながら、
試験官(また同じやつ)に愛想笑いして指定の車に乗る。

 この車は無いよなと思っていた、左も右もサイドミラーついていない、シートのリクライニングのところが壊れている車だ。70年代くらいの車だ。

 運転席に座りリクライニングのところに背をもたれると、試験官が、「背はもたれるな」と忠告。
「なんやそれ。」と思いながら言うことを笑顔で聞き、エンジンをかけようとした。
「ウイーヌイーンクククク」
「あれエンジンがかからない。」
「クラッチ踏まないとエンジンかからないよ。」
「あれそうだったっけ。」

クラッチ踏んでエンジンかける
かかった。
「じゃあ、ここに縦列駐車して。」とタイヤと鉄パイプできた縦列駐車のスペースに駐車するように言う。

 これはできるだろうと落ち着いてやるが、クラッチとアクセルのバランスが難しい、ミラーもついてないので何が何だかわからないなってきた。
「あれーーアンティグアでカルロスと練習した時はできたんだけどなあ。」
 3度ほどチャレンジさせてくれるができない。

 試験官「もういいから降りろ!!次の人」
「やべーーー。」教習本を買わなかったからかなとちょっと後悔。でも写真は撮ったしな。大丈夫だろと開き直るしかなかった。

2番目の人・・やってもやってもできない。
少しほっとしている私。
 その人は車のせいにし、試験官に別の車でやりたい旨を伝える。
別の車で再チャレンジ!
できた。
じゃあなたも「この車でやってみなさい。」と私に再チャレンジを与えてくれた。

*
*
*
なぜかうまくいかない。
ああ・・思いっきり縦列駐車用のタイヤをぶつけてエンスト。
失敗・・・・・・・・・・・・・・・。
やっぱりだめだ。なんでだ。

私は何か他に方法はないかと試験官に言うと、
 試験官は再試験があるのでもう一回事務所で再試験費用Q25を払うように言う。

そんなのがあるんだ。何回まで受けることができるだろうと不安になりながら、Q25を支払う。

Q25を払うと、再試験用の用紙をくれた。これを持って試験官のところに行けという。
私は試験官にこの用紙を渡すとこう言った。
「合格させてもらいたいか?」
そりゃそうでしょ!そのために来ているんだからという顔をすると、勝手に説明しだした。

「あそこの廊下のところにえらそうなでかいのがいるだろ。あれが警察署から派遣されている監査官だ。彼は我々が不正しないか、見ているんだ。」

 へーーーー 監査官ねーー グアテマラのわりにはちゃんとしてるじゃないか、と感心してしまった。

「あれがいるから、君が失敗したら、合格にはできないんだよ!だけど今度は合格させてやるから俺の言うとおりにしろ!いいか、俺が縦列駐車しやすいように、車を停める。そこから君が運転するのだが、まずハンドルを全部右に切るんだ。それでギアーをバックに入れてゆっくりを後進しろ!俺がこの鉛筆を加えたら、今度はハンドルを左に切って、車体がまっすぐになったら停止だ。」

「じゃーやってみよう。」と言い、縦列駐車しやすいところに駐車した。

 試験官の言うとおりハンドルを右に全部切り、バックに入れゆっくりと後進した。
 私はもう試験官の口元以外何も見ていない。
「おおっ鉛筆をくわえたーーー」
そこでハンドルを左側に全部きりもうちょっと後進。
 車体がまっすぐになっているのを確認し、試験官の顔を見てこれでよいか無言でたずねる。
 試験官はまじめな顔をしているが、鼻のあたりが、にやけている。OKとも言わずに、試験用紙に何か書き込んだ。

 縦列駐車合格だ!!(ホントにこんなんで大丈夫なのか不安になってきた。)

 つぎは、試験場敷地内のコースを一周する試験。
これは楽勝だ!!

 なんか日本の地方でよくある”ブタのレース場”みたいで砂利道の100mコースだ。

 試験官が助手席に乗り、私が運転。

 スタート地点は、さっきの監査官がいる所。エンジンかけて、発進すると5mくらいのところにいきなり”止まれ”となっていたが、私は気がつかないで通り過ごそうとすると、試験官が止まれって書いてあるだろう。と忠告!
 いきなり止まるがクラッチ踏み忘れてエンスト!

やべーーー

 試験官が勝手にギアーをニュートラにいれ、「早くエンジンかけろ!!でも早くだ」とせかす。

 監査官の後ろからの視線が熱い。

 すばやくエンジンかけ前進した。コースを軽く一周し、最後の信号で停車し、もとのスタート地点まで戻ってきた。

 試験官は「これですべておしまいだから、証明書を出すからまっててくれ。」と言う。

 しばらくすると名前を呼ばれた。「この証明書を持って、免許発行センターまで行きなさい。」とのこと。

 私と一緒に試験を受けていたグアテマラ人が、一緒に行こうとピックアップの後ろに乗せてくれた。

 乗せてくれた御礼にQ5(70円)渡すと、「いいよいいよ!好意で乗せたんだから」と言うので、「でもここの駐車場代払わなくてはいけないんだよ」と強引に渡すと受け取ってくれた。

 車を降りると、お決まりのように、代書屋、写真屋、視力検査屋などの客引きがいろいろ集まってきた。
 代書屋なんて必要ないし、写真も、視力検査も免許センター内でぼられることなくできるとカルロスに聞いていたので、全部無視して免許センター内に・・
 入り口では銃を持った警備員が、必要書類の確認をしている。
 今、取得したばかりの筆記実地試験合格書と身分証明書を見せると、中に入れてくれた。センター内は倉庫を改造したつくりで広々としている。

 まずは写真と、視力検査だ。視力検査は有料で受けられる。やっぱり客引きのところで受けたら数割高くセンター内のほうが安かった。

 視力検査が終わり、次は免許の支払い、センター内に銀行があり、専用の振込用紙にいくらかを記入し支払う。
 1年ものQ100(1400円)から4年もの(5000円くらい)まで自分で選べる。
 私は、4年ものを頼み指定の金額を払う。

 支払いを済ませると、書類に不備が無いかの確認、次に住所、電話番号などの個人情報のパソコン入力とデジタル指紋を取り、普通の台紙にする指紋で全部の指をとられた。
 最後に免許用の写真撮影と、免許書にプリントするためのデジタル式ペンでするサインだ。

 すごい設備だ。もうグアテマラでもデジタル化が進んでいるのだ。

 しばらく待つと名前を呼ばれて、免許書交付となった。
免許書交付と同時に、運転安全ガイドブックと、紙でできた免許入れを買わないかと言われた。なんだこれは!買うのは義務なのかと聞くとそうではないと言う。
あれーーーなんか日本でも同じことあったような気がするんだけど・・

 そうそう、免許センター内にいる安全協会の連中だ。「安全協会に入りませんか」としつこいやつらだ!購入は義務ではないが、かなり強引に勧誘しているやつらだ。


 まあ、今日は免許交付してもらったしと思い、値段の安い方の、免許入れをQ4(55円)で購入。

と同時に、免許をいただく。
うれしいねーー
しっかりプラスチックで作られたグアテマラの免許証

 でも早すぎる。免許センターに入ってから1時間くらいしかたっていない。デジタル化が進んでいるし・・

ここはグアテマラじゃないと思った。


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 その次の日の新聞に、政府が管理している車の登記の個人情報、免許証の個人情報は、外部からアクセスでき犯罪者集団はそれらの情報をすでに持ちえているという記事が出ていた。しかも、その情報によって犯罪が起きているのだという。
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やっぱりグアテマラだなあ・・




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